鎌倉駅周辺の物件数があまりにも少ないので、他の地域も見ていこうという試みで、今回は人口についてみていきたいと思います。
鎌倉市の区分
鎌倉市が行政として発表しているデータは、市全体を以下の5区分に分けています。
- 鎌倉地域
- 腰越地域
- 深沢地域
- 大船地域
- 玉縄地域
これらがどんな配置になっているかを分かりやすくするために、行政地図に色を塗ってみました。
こんな感じで、鎌倉地域がやけに広いのが気になりますが、行政がこの区分だと言ってるからには何か意味があるのでしょう。
区分ごとの人口
世帯数 | 人口 | 世帯人数 | |
市全体 | 75,923 | 172,938 | 2.28 |
鎌倉地域 | 20,504 | 46,193 | 2.25 |
腰越地域 | 10,092 | 23,940 | 2.37 |
深沢地域 | 14,693 | 33,973 | 2.31 |
大船地域 | 20,312 | 44,211 | 2.18 |
玉縄地域 | 10,322 | 24,621 | 2.39 |
人口はこんな感じになってます。
世帯人口を見ると、大船地域の世帯人数が2.18と少なく、単身者が多そうです。隣接する新興地域の玉縄地域の方は、逆に数字が大きくなっています。
表に男女比と3区分別人口を加えてみたいと思います。
鎌倉市の世代別人口
世帯人数 | 0~14歳 | 15~64歳 | 65歳以上 | |
市全体 | 2.28 | 11.4% | 58.1% | 30.5% |
鎌倉地域 | 2.25 | 11.0% | 56.4% | 32.6% |
腰越地域 | 2.37 | 10.4% | 55.5% | 34.1% |
深沢地域 | 2.31 | 11.8% | 56.9% | 31.3% |
大船地域 | 2.18 | 12.0% | 61.3% | 26.7% |
玉縄地域 | 2.39 | 11.5% | 59.7% | 28.8% |
全国 | 12.1% | 59.5% | 28.4% | |
神奈川 | 11.9% | 62.7% | 25.3% |
まず、世代別人口を見ると、市全体の高齢者率が30.5%と、全国平均の28.4%よりも高くなっています。
地域ごとに最も高いのが、腰越地区の34.1%、最も低いのが大船地域で26.7%です。
大船は若い単身者が多く、腰越は高年齢の家族が多いことになります。
腰越の高齢者率34.1%がどれくらい高いかというと、34.1%を超える県は秋田、島根、山口、高知の4県だけです。
住んでいた人が高齢化しているのか、高齢者が移住してきているのかは分かりません。
そして、もうひとつ単身者の少なかった玉縄地域ですが、こちらは逆に高齢者が少なくなっています。大船は若い人&単身者も多く、玉縄は若い家族が移住、というような構図かもしれません。
なお、行政区分ごとの世帯人数の多い順5つを見ると以下のようになります。
世帯人数 | |
関谷(玉縄地区) | 2.72 |
高野(大船地区) | 2.69 |
城廻(玉縄地区) | 2.64 |
今泉(大船地区) | 2.49 |
西御門(鎌倉地区) | 2.48 |
やはり玉縄地域を含む北の方ばかりですね。通勤にも便利な地域に、新興住宅地ができて、家族で入ってきているという感じでしょうか。通勤に加えて、価格が安いという点もあるかもしれません。
次に少ない順を見ます。
世帯数/人口 | |
台1丁目(玉縄地域 大船駅隣接・南西) | 1.88 |
御成町(鎌倉地域 鎌倉駅隣接・西) | 1.92 |
小袋谷(大船地域 大船駅隣接・南東) | 1.99 |
大船(大船地域 大船駅隣接・東) | 2.07 |
由比ガ浜(鎌倉地域 鎌倉駅から南西海側) | 2.09 |
※ 台という町は1丁目だけ玉縄地域、2丁目以降は大船地域に入れられています。
台1丁目は大船駅に隣接している地域で、御成町は鎌倉駅に隣接している地域です。
やはり大船駅近辺の地域と、鎌倉駅の南西方面で単身者が多くなっています。新しい集合住宅が大船あたりに集中しているのも影響していると思われます。
鎌倉の男女別人口
次に、男女比を見てみます。
男女比は女性100人あたりの男性の数を表していますので、この数が大きくなると男性比率が高く、小さくなると女性の比率が高いことになります。
世帯人数 | 男女比 | |
市全体 | 2.28 | 88.6 |
鎌倉地域 | 2.25 | 83.7 |
腰越地域 | 2.37 | 87.2 |
深沢地域 | 2.31 | 89.7 |
大船地域 | 2.18 | 92.6 |
玉縄地域 | 2.39 | 90.9 |
全国 | 2.15 | 95.8 |
東京 | 1.89 | 96.6 |
神奈川 | 2.19 | 99.3 |
人間は、生まれた時点では男性が多く、女性の方が長生きなので、高齢化していない社会では男性の方が多く、高齢化すると女性の方が多くなります。
まず、鎌倉市全体で、女性が多いですね。全国で最も女性率の高い鹿児島県でも88%程度なので、鎌倉市は女性率がかなり高いと思われます。
その中でも、特に鎌倉地域が異常に女性率が高くなっています。繁華街の場合は、職業的な要素で女性の率が高くなるケースがあり、例えば京都市では以下のようになっています。
世帯人数 | 男女比 | |
京都市全体 | 2.00 | 89.89 |
北区 | 2.02 | 90.55 |
上京区 | 1.75 | 85.03 |
左京区 | 1.95 | 93.19 |
中京区 | 1.79 | 84.96 |
東山区 | 1.76 | 74.68 |
山科区 | 2.12 | 89.99 |
下京区 | 1.71 | 85.58 |
南区 | 2.02 | 98.40 |
右京区 | 2.06 | 88.82 |
西京区 | 2.28 | 90.65 |
伏見区 | 2.11 | 92.05 |
京都市も、女性がかなり多いですが、鎌倉市の方が女性が多いです。
なお、東山区は祇園が含まれる地域、中京区は四条と二条に挟まれる地域、上京区は二条の北の御所を含んだ歴史ある地域になります。下京区は京都駅の北側の地域です。
祇園のある東山区の相当高い女性率はやはり職業的なものかなという気はします。
鎌倉地域と明らかに違うのは世帯人数です。京都の場合は女性が多くなるごとに世帯の人数が下がっていますが、鎌倉の場合は連動していません。
また鎌倉市の中で最も世帯人数が多い腰越地区でも女性率が高くなっています。
そもそも鎌倉には京都のような歓楽街があるわけではないので、職業的な理由でここまで多いとは言えないように思います。
”高齢化 + 職業的な理由ではない理由”
それが何なのかは言及しませんが、何かしらの理由があるように思います。
総括
高齢化は、移住による部分もあるのかもしれませんが、やはり進んではいるようです。
とはいえ、市内の共同住宅の数が2008年をピークに増えていないというデータもあり、高齢者率が高いといっても他の過疎地の原因とは異なるようには思います。
私が候補地としている鎌倉地域は、世帯人数2.25、高齢者率32.6%となっています。駅周辺には単身者も多いというデータもあることを考えれば、世帯人数2.25は高いので、家族でガッチリ住んでいる感はあります。
過疎らずに高齢化している雰囲気でもあり、引き続き物件不足の中、探していきたいと思います。
またこれから他の地域に関しても、更に調べながら候補に入れられるか検討していきたいと思います。